アルコールチェッカーは、体内の残留アルコール濃度を手軽に測定できる機器です。電気化学式や半導体式などいくつかの種類があるため、どのような基準で選べばよいのか悩むのではないでしょうか。
警察庁の発表から、白ナンバー車両使用事業所におけるアルコールチェッカーの使用義務化が、近々始まる可能性が高まりました。この記事では、各種アルコールチェッカーの違いや選ぶ際のポイントを解説します。自社に合った機器を選ぶ際の参考にしてください。
1.アルコールチェッカー「電気化学式」と「半導体式」を比較
2.アルコールチェッカー「電気化学式」のおすすめポイント
3.アルコールチェッカー「半導体式」のおすすめポイント
4.アルコールチェッカーは使い方に応じた選択が必要
5.アルコールチェッカーは記録の保存方法も重要
6.記録の管理・保存は「みんなのアルコールチェック」が最適!
7.まとめ
飲酒運転根絶を目指し導入されたアルコールチェック義務化は、2022年4月以降白ナンバー車両使用事業所にも対象が拡大しました。同年10月に施行予定だったアルコールチェッカーの使用義務化は、当分の間延期状態です。
しかし、供給状態の安定が見込まれる2023年12月以降、義務化開始の可能性が高まっています。導入に向けた準備を始めましょう。
アルコールを摂取すると、約20%は胃から、残りは小腸から体内に吸収されます。体質や状況により若干異なるものの、約95%は1時間~2時間程度でほぼ全て吸収されることが一般的です。
吸収したアルコールは肝臓で分解され、分解できなかったアルコールは血液とともに全身を巡ります。血中に入ったアルコールが肺を巡る際、アルコールの一部が呼気として排出される仕組みです。
アルコールチェッカーは、体内の仕組みを利用し、呼気中のアルコール濃度をセンサーで感知し測定します。
呼気で体内の残留アルコール濃度を測定するタイプのアルコールチェッカーは、大きく分けて2種類の感知センサーがあります。
種類のひとつは、電気化学式、または燃料電池式と呼ばれる感知センサーです。呼気に含まれるアルコールガスに反応し、それを燃料として電気が発生する原理を用いています。
呼気中のアルコール濃度が高ければ、発生する電気量が多くなるため、電気量の測定値から酒気帯びの有無を確認できる仕組みです。
もうひとつは半導体式ガスセンサーと呼ばれており、感知センサー表面に付着した酸素を利用する仕組みです。一般的に、反応性を高めるための加熱用ヒーターが内蔵されています。
感知センサー部分の半導体素子表面に付着した酸素は、アルコールガスなどの還元性ガスと反応すると半導体の電気伝導度が高くなり、抵抗値が低下する原理です。
電気抵抗値が低下した場合、アルコールガスの量が多い、つまり体内の残留アルコール濃度が高いと判断できます。
アルコールチェッカーを新たに導入する場合、どの種類や機器が自社に向いているのか判断に迷うのではないでしょうか。それぞれのメリットやデメリットを把握しておけば、自社で使いやすいアルコールチェッカーを探す助けになります。
まずは、電気化学式のメリットやデメリットを把握しましょう。
電気化学式センサーの主なメリットは、下記の3つです。
・精度が高い:アルコール成分(エタノール)以外にはほぼ反応しない
・耐久性が高い:経年劣化しにくい
・外的影響を受けにくい:密閉性が高いため飲食物や環境に左右されにくい
メリットの中でも注目したいのは、精度が高い点です。電気を発生する燃料はアルコールガスで、他のガスに対する反応はほぼありません。そのため、タバコの煙や薬など外的影響を気にせずに測定できます。
代表的なデメリットを確認しましょう。
・価格が高い:検知原理の複雑さから製造にコストがかかる
・測定に時間がかかる:感知センサーの反応時間が長い
・メンテナンスにコストがかかる:製造コストが高いため修理や交換の価格も高い
時間およびコスト面でのデメリットは、半導体式センサーと比較した場合です。各メーカーや便利機能の有無により、販売価格には大きな差があります。
電気化学式センサーと半導体式ガスセンサーのどちらが適しているのかを悩んでいる場合、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。
自社の予算や業務体系を考慮に入れることは大切です。ここでは半導体式ガスセンサーのメリットやデメリットを把握して、電気化学式センサーと比較してみましょう。
半導体式ガスセンサーの主なメリットは、下記の3つです。
・価格が安い:センサーの製造コストが比較的安価
・端末が小型:センサーそのものが小さい
・応答性が高い:シンプルな検知方法のため測定時間が短い
ドライバーの人数が多かったり、直行直帰や出張など変動的なシフトが頻繁だったりする場合は、導入費用を抑えられる小型で安価な半導体式ガスセンサーのほうが向いているでしょう。
デメリットもきちんと確認しておきましょう。
・精度に不安がある:呼気中のアルコールに近い成分に反応するケースがある
・外的影響を受けやすい:周囲の環境次第で酸素量が減少するケースがある
アルコールに近い成分は、歯磨き粉・ガムに含まれているキシリトール、ある種の薬などです。アルコールチェックの直前に歯磨きや薬の服用をした場合、アルコールを摂取していないにも関わらず検知されてしまう可能性が高まります。
アルコールチェッカー導入時は、感知センサーの種類だけではなく、他にも注目しておきたいポイントがあります。それは、携帯型か据え置き型のどちらが自社の業務体系に向いているかです。
アルコールチェックの形骸化を防ぐためにも、使い勝手の良い機器を選ぶようにしましょう。各タイプの主な特徴を解説します。
大抵の携帯型は、片手に収まる程度の小型サイズで軽量なため、持ち運びの際に邪魔になりません。持ち運びが可能になることで、時間・場所を問わず検査ができます。
直行直帰のシフトなど、事務所に戻れないケースが多いドライバーに向いています。比較的安価なため、一度にたくさんのアルコールチェッカーを購入しなければならない事業所では、購入費用を抑えられる点が魅力です。
サイズや重量が大きい据え置き型は、電源を確保できる場所で使用する目的で設計されています。基本的に持ち運びはできません。
事業所に設置しておくことで、安全運転管理者はもちろん上司や同僚の目が届く場所で検査できます。必然的に不正を防げる点が魅力です。
ドライバーが毎回同じ事務所で出勤・退勤するという業務体系の事業所などに向いています。携帯型と比較すると、高精度で、販売価格は高めです。
2022年4月以降に施行された道路交通法施行規則では、白ナンバー車両使用事業所がアルコールチェックをする際、確認内容の記録が必要なことを規定しています。記録簿は、1年間保存しなければなりません。
そのため、アルコールチェッカーを選ぶ際は、記録の保存方法も考慮に入れましょう。自社の状況と照らし合わせて検討できます。
多くはないですが、検査結果を一度表示するだけで記録が保存できる機能を備えていないものもあります。紙媒体やパソコンで記録する体制が整っているのであれば、記録保存機能がないアルコールチェッカーを選んでもよいでしょう。
また、本体のみで保存するタイプもあります。内蔵のメモリーチップまたはSDカードなどに、検査結果の記録・保存が可能です。事前に、保存可能件数の限度を確かめておくことが大切です。
プリントアウト機能付きのアルコールチェッカーは、本体にレジスターのような機能を搭載しており、毎回の検査結果を記録紙に印刷します。据え置き型に多いタイプです。
中には、顔写真と検査結果を一緒にプリントアウト可能な機種もあります。プリントアウトした記録紙は、記録簿・運行日誌に添付して管理できます。年数の経過に伴い印字が薄くなり、読み取りづらくなる可能性がある点に注意しましょう。
携帯型・据え置き型問わず、近年増加傾向にあるのが専用ソフト、またはUSBなどに保存するタイプです。アルコールチェッカーとパソコンを連動しておけば、パソコン上で検査結果を記録・保存できます。ドライバーごとの管理が楽になるため便利です。
手書きの記録・保存に比べ、転記ミスを減らせます。保存可能件数も多く、検索や並び替え機能によりデータ管理が容易です。
直行直帰や出張が主流の事業所に人気が高いのは、クラウド保存タイプです。アルコールチェッカーとスマートフォン・タブレットなどのデバイスを連携し、測定結果をクラウド上に保存します。
アルコールチェッカーの測定結果だけではなく、ドライバーの氏名・顔写真・確認日時・場所など、法律で定められている記録項目も一緒に記録・保存が可能です。安全運転管理者は検査結果をリアルタイムで確認できるため、不正防止にも役立ちます。
アルコールチェック義務化では、決められた確認内容をきちんと記録し、1年間保存しなければなりません。延期状態とされていたアルコールチェッカーの使用義務化は、近いうちに始まる予定です。
安定的な運用をするためには、コスト面はもちろん使い勝手が良いかどうかも大切です。アルコールチェックに関する業務負担の軽減に役立つORSOの「みんなのアルコールチェック」の仕様を紹介します。
「みんなのアルコールチェック」は、2022年4月以降の道路交通法施行規則改正にのっとった、白ナンバー車両のアルコールチェック義務化に対応した便利なツールです。
記録したデータは、1年間保存される他、必要な場合にはCSV出力もできます。スマートフォン・タブレットのカメラ機能を用いたチェックにも対応しており、遠隔地での検査に便利です。手持ちのアルコールチェッカーを使用できます。
経営者の中には、操作性や利用額などを心配し、クラウド保存可能なツールの導入に二の足を踏むケースがあります。「みんなのアルコールチェック」は、誰でも気軽に導入できるよう、シンプルな操作性かつ低コスト設定です。
初月は無料お試し期間となっており、初期費用はかかりません。契約後は、2か月目より1ユーザー200円×登録人数の月額制で計算します。事業所の規模、月ごとの業務量などで調整しやすく便利です。
アルコールチェッカーは、対面での確認だけでは分からない、体内残留アルコール濃度を検査します。検査方式は電気化学式と半導体式の2種類、タイプも携帯型や据え置き型など複数あるため、それぞれの特徴を比較して検討しましょう。
アルコールチェック義務化は、飲酒運転による悲惨な事故を根絶するために導入されました。事故を起こさない、事故を起こさせないために、しっかりと対応することが求められます。
そのためには、ドライバーやチェック担当者の負担を軽減することが大切です。その際に、便利なツール「みんなのアルコールチェック」をぜひご活用ください。
参考情報
https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/alcohol-cheker-cause/
https://www.alcohol-check.jp/
https://i-goods.co.jp/covid/alcohol-check/information/9855
https://pai-r.com/column/20210319-2/
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https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335M50000002060
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https://smartdrive.co.jp/fleet/useful-info/alcohol-checkpoint/
https://toyo-mark.co.jp/alcohol-check/about-alcohol-detect/17/
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https://www.alc-autobacs.com/blog/alcohol-checker/2022_0415/
https://www.nishiyamaclinic-nagoya.com/blog1/mechanism-of-action-of-alcohol/
https://www.alc-autobacs.com/blog/alcohol-checker/2022_0415/